京都府立医科大学 生物統計学教室は臨床・疫学研究の計画・実施、データ信頼性確保を行っています。

京都府立医科大学 大学院医学研究科生物統計学 医学部医学科生物統計学教室 京都府立医科大学 研究開発・質管理向上統合センター 生物統計・データマネージメント部門

教  育(2022年度)

鴨川統計集会 (Kamogawa Statistical Conference; KSC)

当教室では大学院統合医科学専攻の演習として、「鴨川統計集会」(Kamogawa Statistical Conference; KSC)を実施しております。

  • 5/10 (火) 16:00-17:30 臨床医学学舎6階 第6会議室
  • 横田 勲「右側打ち切りが時点生存割合の有効サンプルサイズに与える影響」
    生存時間アウトカムをもつ単群臨床試験において、主たる解析では時点生存割合を閾値と比較することが多い。 本研究は、打ち切りが後の時点生存割合の精度に与える影響を有効サンプルサイズの観点で検討した。 Greenwood式に基づく漸近分散とベータ分布をおいた正確な分散の両方において、ある条件の下で、有効サンプルサイズで換算した情報損失の近似式を導出した。 従来のサンプルサイズ設計で用いられる予期される打ち切り例を加えるアプローチは、概ね目標とする検出力を維持できることが判明した。

  • 6/14 (火) 16:00-17:30 臨床医学学舎6階 第6会議室
  • 藤川 桂「層ごとに異なる目標値を設定するベイズ流単群臨床試験デザイン」
    疾患の重症度などによって被験者を層別し、層ごとに異なる目標値を設定する2値評価項目・単群臨床試験のデザインを考える。層ごとに独立した解析を実施すると、各層の標本サイズが小さい場合には検出力不足が問題となる。 これを改善するため、層ごとの目標値を考慮した事後分布の類似度に基づき層間で情報借用した上で、有効または無効の判断を行うベイズ流臨床試験デザインを検討し、シミュレーションにより動作特性を評価したので報告する。

  • 中田 美津子「SJS/TEN眼後遺症の予後改善に向けた観察的研究/条件付きロジスティック回帰を用いた併合解析」
    スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson syndrome: SJS)及び中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis: TEN)は、高熱や全身倦怠感などの症状を伴って、口唇・口腔、眼、外陰部などを含む全身に紅斑・びらん・水疱が多発し、表皮の壊死性障害を認める疾患である。SJS/TENの眼合併症に対する疫学調査として、2005-2007年に第1回調査、2008-2010年に第2回調査、2016-2018年に第3回調査が行われた。 本発表では、データ収集方法が類似している第1回調査と第3回調査のデータを年齢・性別・臨床型・被疑薬NSAIDSの有無・発症から発熱までの日数・発症から粘膜症状出現までの日数でマッチングし、条件付きロジスティック回帰分析を用いて全身療法開始病日ならびに発症から眼科初診までの日数が眼後遺症に及ぼす影響を推定した。

  • 7/19 (火) 16:00-17:30 臨床医学学舎6階 第6会議室
  • 堀口 剛「単群試験の生存時間解析におけるベイズ流サンプルサイズ設計の検討」
    がんの臨床試験などでは、全生存期間(OS)や無増悪生存期間(PFS)などのイベントまでの時間(time-to-event)をエンドポイントとすることがよくある。また、コストや倫理的な問題から、単群試験デザインが採用されることがある。そのような場合のサンプルサイズ設計については、主に頻度流の方法が提案されてきたが、近年ベイズ流の方法が注目されており、より実用性の高いベイズ流生存時間解析に基づくサンプルサイズ設計の提案を検討している。 特に2つの事前分布を用いた事前予測確率に基づくアプローチについての検討内容を報告する。

  • 内藤あかり「重症牛乳アレルギー児に対する探索的臨床試験におけるベイズ流試験デザインの検討」
    重症牛乳アレルギー児に対する安全性の高い治療法として、少量経口免疫療法という治療法が検討されている。まず小規模な単群探索的試験が計画されたが、現段階で実施可能な症例数では既存治療法に対する非劣性を十分な検出力で評価することは困難であった。 そこで、集積できた症例数に応じて段階的な有効性評価が可能な柔軟なベイズ流試験デザインの検討および性能評価を行ったので報告する。

  • 9/13 (火) 16:00-17:30 臨床医学学舎6階 第6会議室
  • 手良向 聡「臨床予測モデルの開発と妥当性確認」
    医療における共有型意思決定(Shared Decision-Making, SDM)において、医師と患者の両者は診断検査および治療的介入に関する選定についての決定に能動的に参加する。 SDMには、特定の患者に合わせて、患者の選択肢、およびそれらの是非についての十分なコミュニケーションが必要とされる。そこでは、個別の患者に対する疾患の存在(診断)または疾患の将来経過におけるイベント(予後)のリスク推定値を提供する「臨床予測モデル(Clinical Prediction Models)」が重要なツールとなり得る。 本発表では、当領域における優れた成書であるSteyerberg EW. (2019) の内容を詳説し、最後に、臨床予測モデル構築の実践と課題について考察を加える。

  • 10/11(火) 16:30-18:00 臨床医学学舎6階 第6会議室
  • 山本 景一「デジタル臨床試験:パーソナルヘルスレコードの最新動向とデジタル臨床試験における合成患者データの活用」
    デジタル技術とデータサイエンスの進展により、臨床試験においてもデジタルトランスフォーメーション(DX)が期待されている。 最新のデジタルヘルス技術を活用する臨床試験(Digitizing Clinical Trials)の実現により、参加者のアクセス、データの計測と収集、介入を劇的に効率化できる可能性がある。 デジタル臨床試験の最新動向として、パーソナルヘルスレコードの最新動向と、合成患者データ(Synthetic Patient Data)の活用について、情報提供を行いたい。

  • 11/8 (火) 16:30-18:00 臨床医学学舎6階 生物統計学教室
  • 笹川 昌起 「医薬品の使用成績調査における標本サイズ設定の問題点及びベイズ流接近法に基づく改善法の提案」
    2020年4月から2021年3月までの間に承認された新医薬品123品目の使用成績調査の標本サイズ設定方法の現状を把握し、それらの問題点について考察したうえで、改善法を提案する。最終的に調査対象となった医薬品は55品目、調査数は69調査であった。 次に、標本サイズ設定の根拠を、① 検定に基づく方法、② 精度に基づく方法、③ 3の法則に基づく方法、④ 実施可能性に基づく方法、⑤ その他の方法、の5つに分類した。本発表では主に①~③の方法の問題点を指摘し、改善法を提案する。

  • 塩田 駿介 「診断確度研究のベイズ流標本設定」
    診断確度研究は、ある診断検査が患者の疾患の有無を正しく判別できるかどうかを評価するものであり、その確度に関する主な尺度は感度と特異度である。診断確度研究のベイズ流標本サイズ設定としては、感度パラメータの事後分布の信用区間幅に基づく手法などが提案されている。 本発表では、この手法を拡張し、感度パラメータに解析事前分布とデザイン事前分布の2つの事前分布を適用した事前予測確率に基づくアプローチについての検討内容を報告する。

  • 12/13(火) 16:00-17:30 臨床医学学舎6階 第6会議室
  • 湯川 有人「A survey of physician and patient understanding, perception, and attitudes to depression in atrial fibrillation」
    Background: Atrial fibrillation (AF) is the most common sustained arrhythmia in the elderly and has a significant impact on quality of life (QoL), but is not always perceived as a serious mental health risk. This study investigated the understanding, perceptions, and attitudes towards the risk of depression associated with older patients with AF. Methods: The KPUM AF Education Initiative conducted a quantitative survey from April to June 2021 among elderly AF patients aged 65 years and older (n=156), and physicians or cardiologists seeing at least 10 elderly AF patients annually (n=158). Results: Fifty-two percent of patients had actually suffered from depression. Of these, 98% of patients expressed that depression lowered their QoL. On the other hand, 30% of physicians reported that even if they recognized that a patient was depressed, they would not prescribe anti-anxiety medication or provide counseling. Both physicians and patients understood that anxiety about the future, such as an incident of AF attack, stroke, or heart failure, was the most important contributor to the incidence of depression. Conclusion: Comprehensive information and support programs for patients and professionals are needed to improve the management of AF and depression in older adults and consequently health outcomes.

  • 安里 言人「定位照射後肺炎の、モダリティ間のCT像の比較」
    肺癌に対する定位放射線照射(Stereotactic Radiationteraphy、SBRT)において、その遂行を制限する有害事象の代表が放射線肺臓炎(radiatlon pneumonltls RP)である。 RPはCTで診断され、限局性浸潤影、腫瘤様陰影、線状陰影など様々な画像を呈することが知られている。 リニアック、サイバーナイフ、トモセラピーと異なるモダリティにおいてSBRT後のCT像の違いを比較した。

  • 深沢 良輔「片頭痛患者における腹痛発作による救急受診の実態」
    機能性消化管障害は消化器疾患を疑う症状があるにもかかわらず, 症状を説明できる器質的, 全身的, 代謝的疾患のない症候群であり, 片頭痛との関連が指摘されている. 年齢とともに改善傾向となる疾患であるが, 成人期以降も腹痛発作が持続する症例もあり, 本邦での実態はわかっていない. 外来片頭痛患者の腹痛発作による救急受診の実態を,カルテベースで後ろ向きに検討した. 片頭痛患者71例のうち30例が腹痛発作で救急外来を受診していた. うち25例(35%)は入院が不要であった. 高齢片頭痛患者の中に機能性消化管障害が持続している症例があり, これらの一部に腹部片頭痛の症例が含まれる可能性を考える.

  • 1/10 (火) 16:00-17:30 臨床医学学舎6階 生物統計学教室
  • 宮本 雄気「Association between age and neurological outcomes in out-of-hospital cardiac arrest patients resuscitated with extracorporeal cardiopulmonary resuscitation: a nationwide multicentre observational study」
    Little is known about the difference in outcomes between young and old patients who received extracorporeal cardiopulmonary resuscitation (ECPR) for out-of-hospital cardiac arrest (OHCA). Therefore, using the Japanese Association for Acute Medicine OHCA registry, we investigated a 1-month neurological outcome in OHCA patients who received ECPR. We identified patients aged ≥18 years with OHCA who received ECPR, which were classified into three age groups (18–59 years, 60–74 years, and ≥75 years). To compare the 1-month neurological outcome among the three groups, we performed logistic regression analyses. From 2014 to 2017, we identified 875 OHCA patients aged ≥18 years who received ECPR. In the multivariable analysis, compared with the age of 18–59 years, the proportions of favourable neurological outcomes were significantly lower in patients aged 60–74 years (adjusted odds ratio, 0.44; 95% confidence interval, 0.32–0.61) and those aged ≥75 years (adjusted odds ratio, 0.26; 95% confidence interval, 0.11–0.59). In conclusion, advanced age (age ≥75 years in particular) was significantly associated with poor neurological outcomes in patients with OHCA who received ECPR.

  • 永井 利樹「椎体圧迫骨折に対するBallon Kyphoplasty(BKP)とVertebral Body Stenting(VBS)の比較」
    椎体圧迫骨折に対して、コルセットや鎮痛薬等の保存的治療を行うことが重要であるが、治療抵抗性の場合外科的治療を考慮する。Ballon Kyphoplasty(BKP)は疼痛の緩和の有効性が示され2011年より保険適応され広く行われている。2021年5月にVertebral Body Stenting (VBS)が新たに保険適応となった。この新たなシステムはステントにより椎体内のcavityを確保することで、骨セメント充填時の椎体高の復元を行うシステムで、当院では9月以降の椎体骨折に対して施行している。椎体骨折の評価については定量的評価法と半定量的評価法等ある。椎体骨折の判定法では椎体の前縁高(A)、中央高(B)、後縁高(C)を計測し以下の基準に従い判定する。原則C/A、C/Pのいずれかが0.8未満、またはA/Pが0.75未満の場合を圧迫骨折と判定する。椎体の高さが全体的に減少する場合(扁平椎)には,判定椎体の上位または下位のA,C,Pよりそれぞれが20%以上減少している場合を圧迫骨折とする。臨床的に新鮮な骨折例でエックス線写真上明らかに骨皮質の連続性が断たれたものは,上記の変形に至らなくとも圧迫骨折としてよい。この判定基準を基に術後においては左右での椎体高の変化に関しても定量的評価が必要ではないかと考え、過去の論文を渉猟したがなかった。 当院で2020年以降に施行したBKPとVBS症例に対して術前後の椎体高の計測を正面画像、側面画像よりそれぞれ行い評価することに加え、セメントの注入量や文献的考察も踏まえ報告する。

  • 2/14 (火) 16:00-17:30 臨床医学学舎6階 第6会議室
  • 尾ノ井 恵佑「70歳以上の既治療進行再発非小細胞肺癌患者における二次化学療法の有効性と安全性の検討」
    人口高齢化や治療発展による予後の延長により高齢肺癌患者数は増加傾向にある。進行再発非小細胞肺癌に対する薬物療法においては一次治療としてプラチナ併用療法が頻用されるが、高齢者に対する二次治療以降の各種第三世代抗癌剤間の有効性・安全性の検討は十分ではない。本研究では二次化学療法として代表的な5種類のレジメンを施行された70歳以上の既治療進行再発非小細胞肺癌患者を対象に、有効性や安全性について後ろ向きに検討を行う。

  • 木下 大介「早産児に対する抗菌薬使用方針についての全国アンケート調査」
    NICUでの抗菌薬適正使用は早産児のより良い成長・発達を達成するための重要な課題として挙げられている。今回、わが国の早産児に対する抗菌薬使用方針を調査し、NICUでの抗菌薬使用の標準化に向けた課題を抽出することを目的とした全国アンケート調査を行った。

  • 中田 美津子「健康関連QoL(HRQoL)の現状と考察」
    医薬品の費用対効果分析(Cost Effectiveness Analysis, CEA)は、対照治療と比較して、特定の効果指標1単位を得るために必要な追加費用を推定することにより、 標的医薬品の効果を判断する分析法である。CEAは各国公的機関での保険償還の可否判断に用いられることが多いため、効果指標には疾患横断的に比較可能な質調整生存年(Quality-Adjusted Life Year, QALY)が広く用いられてきた。 QALYとは、死亡を0、完全な健康を1として、健康状態を1以下の実数に換算した健康関連QoL(HRQoL)に、生存年数を掛け合わせた指標である。HRQoLは、EQ-5D等の質問票から国別の換算表を用いて算出されることが一般的である。我が国では2019年4月よりQALYを用いたCEAにより一部の新規医薬品の再評価が行われている。 本発表では、CEAの根幹をなすHRQoLが、人々の健康に対する嗜好をどのように反映しているのかについて考察する。

  • 3/14 (火) 16:00-17:30 臨床医学学舎6階 第6会議室
  • 的場 弥生「αアミノ酪酸の寿命、運動、筋肉に及ぼす効果」
    京丹後地域は健康な高齢者が多く、100歳以上の人口比率は全国平均の約3倍である。 この地域における背景因子を分析し、普遍的な健康長寿因子の解明につなげるために京丹後長寿コホート研究を行っている。 2020年3月末までの533症例において健診352項目について相関行列を作成したところ、αアミノ酪酸が年齢・100m歩行速度と相関していることが分かった。現在、このαアミノ酪酸が寿命、運動、筋肉に及ぼす効果について動物実験を行っている。 また、その効果の機序解明のために培養筋肉細胞を用いた実験を行っている。

  • 片山 晃久「子宮腺筋症におけるGPER発現について」
    Gタンパク質共役型エストロゲン受容体(GPER)は2000年代に発見された膜型のエストロゲンレセプターである。GPERの生理的病的な機能はまだ十分解明されていないが、細胞増殖、遊走、浸潤の制御への関与が示されている。子宮内膜症はエストロゲン依存性疾患であり、GPERの発現が高いことが報告されているが、子宮内膜症の類縁疾患である子宮腺筋症のGPER発現に関する報告はほとんどない。 本研究では、子宮腺筋症についてGPER発現を免疫組織化学染色で評価し、腺筋症の臨床型との関連を検討した。

  • 新山 侑生「RWDを用いた画像検査によるサルコペニア関連病態の評価と高齢DLBCL患者における予後因子の探索」
    びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma, DLBCL)は最も頻度の高い非ホジキンリンパ腫で,患者の高齢化が進んでいる。高齢がん患者は加齢や腫瘍による悪液質・炎症,治療による副作用・合併症などにより筋量や筋力の低下を来しやすい。この筋量や筋力の低下はサルコペニアと呼ばれ,肝硬変や心血管系疾患などの慢性疾患における不良な転帰や,がん治療における合併症の増加や治療継続性と全生存率の低下といった予後不良因子となることが指摘されている。また,サルコペニアに筋肉内脂肪や内臓脂肪の蓄積を合併するサルコペニア肥満という病態があり,炎症性サイトカインやアディポカインのレベルを高め,慢性炎症・心血管イベントリスクに関係することも報告されている。 CTでは第3腰椎レベルの骨格筋量が他の椎体レベルと比較して筋断面積が最大となり,ランドマークとして使用されることが多い。人種間では骨格筋量や脂肪量が異なり,人種毎にサルコペニアの診断基準を定めることが理想的であるが,CT画像による測定の場合,コンセンサスの得られたサルコペニアの診断基準はなく,報告により様々なcut off値が設定されているのが現状である。日本人の高齢DLBCL患者において,筋肉量と脂肪量が治療成績に与える影響については今まで十分に検証されていない。 今回,高齢DLBCL患者の治療成績における,CTで得られる6種類の筋肉量や脂肪量の評価指数についての意義を検討した。

生物統計学 特別セミナー




当教室では学内で以下の講義を担当しております。

大学院統合医科学専攻(総合コース専門領域)

【講義A】・・・1年次

  • 1) 研究実施計画書、評価項目、統計的仮説、ランダム化
  • 2) 標本サイズ設定、解析対象集団、中間解析、サブグループ解析
  • 3) 観察研究のデザイン

【講義B】・・・2年次

  • 1) 推測統計学の基礎、基本となる統計手法
  • 2) 予後因子解析、予後指標の構築、代替評価項目の評価
  • 3) メタアナリシス、医療経済評価

【演習】・・・1~2年次

 鴨川統計集会を参照してください。

【特講】・・・1~3年次

 生物統計学分野における最先端の研究について講義・演習を行う。

【論文指導】

 医学研究の統計的方法論について課題を設定し、文献レビュー、既存手法の整理、新規手法の開発・提案などを行えるように指導する。また、医学研究データの統計解析に基づいて、予後因子の同定、予後指標の構築、予防・診断・治療効果の推定を正しい方法で行えるように指導する。

大学院統合医科学専攻
(総合コース共通領域・がんプロフェッショナル養成専門コース)

【医学研究方法概論】 「医学研究における統計学の役割(手良向)」 6/22   16:10~17:40 

 医学研究において頻度流統計学(主に統計的仮説検定、P値、信頼区間)を正しく利用するための心得について解説した上で、将来主流になるであろうベイズ流統計学の基本的考え方と可能性を解説する。

【統合医科学概論】 「予後因子解析と臨床予測モデル構築(手良向)」 7/5   18:00~19:30 

 予後/リスク因子解析は観察研究等のデータから重要な情報を得る基本的手法の1つである。また、患者をリスクグループに分類する臨床予測モデルは臨床に有用なツールとなり得る。本講義では、予後/リスク因子解析および臨床予測モデル構築の方法論を基礎から解説する。


大学院医科学専攻(修士課程)

【医科学研究法概論】「医療統計学」と合同実施

 6/1  4限 (藤川)、 10/26  3限(手良向) 

 臨床研究およびメタアナリシスの方法論および統計学的推論の基本的考え方を理解する。

【医科学演習】  

 9/14  3限 、 9/21  3限、 10/12  3限、 10/27  3限

 臨床試験論文を正しく読むために、CONSORT声明(臨床試験報告ガイダンス)に基づいて試験デザイン、統計解析手法、結果の解釈などについて指導する。
 


保健看護学研究科(博士課程)

【統計方法論特別講義】

11/12   10:00-17:00、11/27   10:00-17:00

12/3   13:00-17:00、12/4   13:00-17:00

 研究計画の方法として、臨床研究(臨床試験・観察研究)の方法論を理解した上で、研究実施計画書の概要が作成できることを目標とする。統計解析の方法として、データの適切な要約と視覚化の仕方、統計手法を正しく理解した上で、研究デザインおよびデータに対応した統計解析が行えることを目標とする。
 

大学院特別講義

『データシェアリングとデータ標準』

1/23(月) 17:00-18:00 基礎医学学舎第2講義室(対面講義)

講師: 河野 健一 先生
         京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構 臨床研究支援部
         臨床研究アドミニストレーションユニット長 特定准教授

概要: 臨床試験データの共有は、透明性を確保するとともに、新しい仮説の形成や治療法の発見につながる。多くの分野で論文のエビデンスとなる研究データの公開が投稿条件となっている。論文のオープンアクセスと研究データのオープン化を含む概念であるオープンサイエンスは世界的な潮流である。研究データは世界にとって重要な知的財産であると言われている。データの取り扱いは法令に従うとともに、データ管理の国際的な規則や慣行との整合性に十分留意する必要がある。 臨床試験においてデータの信頼性を確保し、正しい解釈をしてデータの共有を促進するには、データの記録とコード化に標準を使用することが重要である。国際的なデータ標準を使用すべきとされ、CDISC標準の利用がデータ共有の有用性を最大化する。一方、様々なデータソースがあるReal World Dataを取り扱う研究においてはCommon Data Modelが利用される。



医学部医学科

【生物統計学】

生物統計学は、臨床・疫学研究の方法論の基礎となる学問である。臨床・疫学研究の計画・デザインの段階から統計解析・報告の段階まで、生物統計学の知識とその活用が必須となる。本講義では、数学的な厳密性を保ちつつ、実践における有用性を重視して、生物統計学に基づく科学(ヘルスデータサイエンス)の考え方を講義する。

第3学年

1. 10/11 3限  臨床研究と生物統計学(手良向)
2. 10/11 4限  データの記述と推測(藤川)
3. 10/18    3限  頻度流統計学とベイズ流統計学(堀口)
4. 10/18    4限  2群の比較(藤川)
5. 10/25    3限  分散分析と一般線形モデル(藤川)
6. 10/25    4限  交絡バイアスとその調整(松山教授・非常勤講師)
7. 11/8    3限  生存時間解析(堀口)
8. 11/8    4限  ロジスティック回帰分析とコックス回帰分析(手良向)

【医療統計学】・・・第5学年

6.  6/14限 観察研究デザイン (藤川)
7.  6/8 3限 臨床試験デザイン(1)(堀口)
8.  6/8 4限 臨床試験デザイン(2)(堀口)
20. 10/19    4限 評価尺度の信頼性と妥当性(手良向)
21. 10/26    3限 メタアナリシス・費用効果分析 (手良向)
22. 10/26    4限 診断法の統計的評価(講義の確認テスト)(藤川)

【総合講義:臨床薬理学】・・・第5学年 12/9 2限 「臨床試験のデザイン(手良向)」

 臨床試験のデザイン、および確率、統計学、AIの関係について講義する。


【総合講義:早期体験実習Ⅱ】・・・第1学年  12/1 、12/2


 

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