京都府立医科大学 生物統計学教室は臨床・疫学研究の計画・実施、データ信頼性確保を行っています。

京都府立医科大学 大学院医学研究科生物統計学 医学部医学科生物統計学教室 京都府立医科大学 研究開発・質管理向上統合センター 生物統計・データマネージメント部門

教  育(2017年度)

鴨川統計集会 (Kamogawa Statistical Conference; KSC)

当教室では大学院統合医科学専攻の演習として、「鴨川統計集会」(Kamogawa Statistical Conference; KSC)を実施しております。


生物統計セミナー

生物統計セミナー

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当教室では学内の教職員、学生を対象に、今年度より以下のセミナーを実施しております。

【第1回 臨床試験デザイン】7/18 17:30-19:00@南臨床講義棟

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  • 対象) 臨床研究者、治験・臨床試験に係わる方、臨床試験論文を正しく読みたい方など
  • 講師) 手良向 聡
  • 概要) 臨床試験はデザイン・計画の段階から始まり、試験実施・データ管理・モニタリングを経て、データ解析・報告書作成に至る。この各ステップが統計的方法を必要としている。再現性によって結果を保証することが可能な基礎実験と異なり、同じデザインで繰り返すことが困難な臨床試験においては、デザインと手続きの妥当性から結果を保証するしかない。本講義では、ランダム化対照試験の標準的方法、および探索的臨床試験のデザインとして有用と思われるベイズ流の方法について解説する。
    ※ 本講義は大学院統合医科学専攻(共通領域)【生物統計学概論】と合同実施します。

【第2回 群間比較】10/3 17:30-19:00@北臨床講義棟

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  • 対象) 基礎研究者、臨床研究者、データ解析を正しく行いたい方など
  • 講師) 横田 勲
  • 概要) 治療介入や曝露の有無により分類された集団の特性値を検定する場合、特に特性値が連続量の平均値であるならば、t検定・分散分析 (ANOVA) が用いられる。また、介入(曝露)効果の大きさとして、平均の群間差が信頼区間とともに推定される。本講義では、連続量データに対する群間比較のための統計手法を概説する。
 

【第3回 相関のあるデータの解析】10/24 17:30-19:00@北臨床講義棟

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  • 対象) 基礎研究者、臨床研究者、データ解析を正しく行いたい方など
  • 講師) 横田 勲
  • 概要) 同一対象者内での治療前後の比較や、左右差の比較、治療後複数回測定したアウトカムに興味がある場合、背景情報等を用いて対象者をマッチしたペアでの比較のように、各アウトカムが独立な集団から得られたと仮定できない場合が医学研究では散見される。このような相関性を無視し、通常のt検定や回帰分析を行っては誤った結論を導く。本講義では、対応のあるt検定(繰り返し測定分散分析)のほか、近年頻用されるようになった混合(変量)効果モデルについて概説する。なお、第2回「群間比較」の講義内容を理解していることを前提とした講義を行う。

【第4回 生存時間解析】11/6 17:30-19:00@北臨床講義棟

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  • 対象) 臨床研究者、生存時間データの解析を正しく行いたい方など
  • 講師) 手良向 聡
  • 概要) 生存時間データの特徴は、打ち切りデータが存在することである。それにより、生存時間データに特化した統計解析手法が必要となる。標準的な手法は、生存曲線の推定にはカプラン・マイヤー法、生存曲線の比較にはログランク検定、ハザード比の推定にはCox回帰分析である。本講義では、第6回「予後因子解析」の前提知識を得ることを目的として、これらの手法を解説する。

【第5回 臨床研究におけるPRO/QOLの評価】11/27 17:00-18:30@北臨床講義棟 日程変更となりました!

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  • 講師) 大橋 靖雄(中央大学理工学部人間総合理工学科 生物統計学研究室
  • がん治療とくに抗がん剤治療においては、1985年に患者のQOLを評価することが米国の医薬品審査当局FDAによって義務つけられたが、評価に必須の治療前値がない症例(40%欠損の事例があったという)や途中のデータの欠損が相継ぎ、頭を抱えたFDAと米国がん研究所NCIが協議のためのシンポジウムを1995年に開催するほどであった。あいまいなQOLが測れるのであろうか、あるいは主観的なQOLの測定に意味はあるのだろうか。「測れるはずがないのに測れると一部の人が信じ、現実的な研究者を辟易させるもので、富山県などで出現すると蜃気楼とも呼ばれる(里見・吉村:誰も教えてくれなかった癌臨床試験の正しい解釈、中外医学社、2011)」という意見もある。
    わが国の大規模ながんランダム化第III相試験においてQOL/PROが本格的に調べられたのは、進行・再発非小細胞肺癌に対するCPT11の市販後臨床試験、注射であるCMF療法と経口剤UFTを比較する乳癌術後補助療法試験NSAS-BCであった。ともに開始は1995年である。当時にわれわれが抱いた懸念と、これら試験を経験した後の見解をまとめ、QALY評価やePROなど最近の経験についても紹介する。
     厚生労働省保険局は世界の潮流に従い、QALYを指標とした薬剤の医療経済評価に、2016年試行としてようやく乗り出した。EQ5Dを用いた大規模患者調査も2014年度、2015年度に実施された。問題は人材難である。不足が指摘されている生物統計学者の教育・供給はまだましなほうで、わが国では医療経済評価専門家の教育システムは皆無に近い。QALY導入にも「有識者」の理解を得るために大変な時間と努力が必要であったと聞く。有限な資源と制約の中で、効率的で安心のできる保健医療システム構築のため、社会全体の意識改革が必要なのであろう
  • ※ 本講義は大学院特別講義と合同実施します。

【第6回 予後因子解析】11/30 17:00-18:30@北臨床講義棟

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  • 対象) 臨床研究者、予後因子/リスク因子の解析を正しく行いたい方など
  • 講師) 手良向 聡
  • 概要) 予後因子解析は、観察研究や予後調査のデータから重要な情報を得る基本的手法の1つで ある。しかし、一口に予後因子解析と言っても、その目的は様々であり、目的を整理し、目的に合った統計的手法を用いて妥当な結果導くことはそれほど容易ではない。予後因子解析の意義は、1)疾患実体を明らかにすること、2)予防法、治療法開発の手掛りを得ること、3)試験デザインに利用すること、である。本講義では、予後因子解析の基礎となる方法(ロジスティック回帰分析、Cox回帰分析)の解説、および事例の紹介を行う。
    ※ 本講義は大学院統合医科学専攻(共通領域)【統合医科学概論】と合同実施します。

当教室では学内で以下の講義を担当しております。

大学院統合医科学専攻(総合コース専門領域)

【講義A】・・・1年次

  • 1) 研究実施計画書、評価項目、統計的仮説、ランダム化
  • 2) 標本サイズ設定、解析対象集団、中間解析、サブグループ解析
  • 3) 観察研究のデザイン

【講義B】・・・2年次

  • 1) 推測統計学の基礎、基本となる統計手法
  • 2) 予後因子解析、予後指標の構築、代替評価項目の評価
  • 3) メタアナリシス、医療経済評価

【演習】・・・1~2年次

 鴨川統計集会を参照してください。

【特講】・・・1~3年次

 生物統計学分野における最先端の研究について講義を行う。

【論文指導】

 関心のある領域の臨床研究データの統計解析に基づいて、予後因子の同定、予後指標の構築、予防・診断・治療効果の推定を正しい方法で行えるように指導する。

大学院統合医科学専攻(共通領域)

【生物統計学概論】 7/18 17:30-19:00@南臨床講義棟

 臨床試験はデザイン・計画の段階から始まり、試験実施・データ管理・モニタリングを経て、データ解析・報告書作成に至る。この各ステップが統計的方法を必要としている。再現性によって結果を保証することが可能な基礎実験と異なり、同じデザインで繰り返すことが困難な臨床試験においては、デザインと手続きの妥当性から結果を保証するしかない。本講義では、ランダム化対照試験の標準的方法、および探索的臨床試験のデザインとして有用と思われるベイズ流の方法について解説する。

【統合医科学概論】 11/30 17:00-18:30@北臨床講義棟

 予後因子解析は、観察研究や予後調査のデータから重要な情報を得る基本的手法の1つで ある。しかし、一口に予後因子解析と言っても、その目的は様々であり、目的を整理し、目的に合った統計的手法を用いて妥当な結果導くことはそれほど容易ではない。予後因子解析の意義は、1)疾患実体を明らかにすること、2)予防法、治療法開発の手掛りを得ること、3)試験デザインに利用すること、である。本講義では、予後因子解析の基礎となる方法(ロジスティック回帰分析、Cox回帰分析)の解説、および事例の紹介を行う。


大学院医科学専攻(修士課程)

【生物統計学概論】総合講義「臨床薬理学」と合同実施 4/26 3,4限@基礎医学学舎2階 第1演習室

 観察研究および臨床試験のデザインについて統計学的な観点から概説を行う。

【医科学演習】

 臨床研究論文を正しく読むために、臨床研究の方法論、特に統計的デザイン、データの質管理、結果の報告などについて学習する。
 

大学院特別講義

【臨床研究におけるPRO/QOLの評価】 11/13 17:00-18:30@北臨床講義棟

 講師  大橋 靖雄 教授 (中央大学理工学部人間総合理工学科 生物統計学研究室
がん治療とくに抗がん剤治療においては、1985年に患者のQOLを評価することが米国の医薬品審査当局FDAによって義務つけられたが、評価に必須の治療前値がない症例(40%欠損の事例があったという)や途中のデータの欠損が相継ぎ、頭を抱えたFDAと米国がん研究所NCIが協議のためのシンポジウムを1995年に開催するほどであった。あいまいなQOLが測れるのであろうか、あるいは主観的なQOLの測定に意味はあるのだろうか。「測れるはずがないのに測れると一部の人が信じ、現実的な研究者を辟易させるもので、富山県などで出現すると蜃気楼とも呼ばれる(里見・吉村:誰も教えてくれなかった癌臨床試験の正しい解釈、中外医学社、2011)」という意見もある。
わが国の大規模ながんランダム化第III相試験においてQOL/PROが本格的に調べられたのは、進行・再発非小細胞肺癌に対するCPT11の市販後臨床試験、注射であるCMF療法と経口剤UFTを比較する乳癌術後補助療法試験NSAS-BCであった。ともに開始は1995年である。当時にわれわれが抱いた懸念と、これら試験を経験した後の見解をまとめ、QALY評価やePROなど最近の経験についても紹介する。
 厚生労働省保険局は世界の潮流に従い、QALYを指標とした薬剤の医療経済評価に、2016年試行としてようやく乗り出した。EQ5Dを用いた大規模患者調査も2014年度、2015年度に実施された。問題は人材難である。不足が指摘されている生物統計学者の教育・供給はまだましなほうで、わが国では医療経済評価専門家の教育システムは皆無に近い。QALY導入にも「有識者」の理解を得るために大変な時間と努力が必要であったと聞く。有限な資源と制約の中で、効率的で安心のできる保健医療システム構築のため、社会全体の意識改革が必要なのであろう



医学部医学科

【生物統計学】・・・第4学年

生物統計学は、臨床研究・疫学研究の方法論の基礎となる学問である。臨床研究・疫学研究の計画・デザインの段階から統計解析・報告の段階まで、生物統計学の知識とその活用が必須となる。本講義では、数学的な厳密性を保ちつつ、実践における有用性を重視して、生物統計学に基づく科学の考え方を講義する。

1. 4/11 4限 臨床研究と生物統計学(手良向)
2. 4/183限データの記述と推測(横田)
3. 4/184限頻度流統計学とベイズ流統計学(手良向)
4. 4/254限2群の比較(横田)
5. 5/93限分散分析と線形回帰モデル(横田)
6. 5/94限交絡バイアスの調整(松山教授・非常勤講師)
7. 5/181限生存時間解析(手良向)
8. 5/312限ロジスティック回帰分析とCox回帰分析(手良向)

【医療統計学】・・・第5学年

8. 4/19 5限 観察研究デザイン(1)(横田)@看護学舎地下情報科学実習室
9. 4/21 5限 観察研究デザイン(2)(横田)@看護学舎地下情報科学実習室
14. 4/28 3限 臨床試験デザイン(1)(手良向)@北臨床講義室
15. 4/28 4限 臨床試験デザイン(2)(手良向)@北臨床講義室

【臨床薬理学】・・・第6学年 4/26 3,4限@基礎医学学舎2階 第1演習室

 観察研究および臨床試験のデザインについて統計学的な観点から概説を行う。

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