当教室では大学院統合医科学専攻の演習として、「鴨川統計集会」(Kamogawa Statistical Conference; KSC)を実施しております。
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当教室では学内の教職員、学生を対象に、今年度より以下のセミナーを実施しております。
当教室では学内で以下の講義を担当しております。
鴨川統計集会を参照してください。
生物統計学分野における最先端の研究について講義を行う。
関心のある領域の臨床研究データの統計解析に基づいて、予後因子の同定、予後指標の構築、予防・診断・治療効果の推定を正しい方法で行えるように指導する。
臨床試験はデザイン・計画の段階から始まり、試験実施・データ管理・モニタリングを経て、データ解析・報告書作成に至る。この各ステップが統計的方法を必要としている。再現性によって結果を保証することが可能な基礎実験と異なり、同じデザインで繰り返すことが困難な臨床試験においては、デザインと手続きの妥当性から結果を保証するしかない。本講義では、ランダム化対照試験の標準的方法、および探索的臨床試験のデザインとして有用と思われるベイズ流の方法について解説する。
予後因子解析は、観察研究や予後調査のデータから重要な情報を得る基本的手法の1つで ある。しかし、一口に予後因子解析と言っても、その目的は様々であり、目的を整理し、目的に合った統計的手法を用いて妥当な結果導くことはそれほど容易ではない。予後因子解析の意義は、1)疾患実体を明らかにすること、2)予防法、治療法開発の手掛りを得ること、3)試験デザインに利用すること、である。本講義では、予後因子解析の基礎となる方法(ロジスティック回帰分析、Cox回帰分析)の解説、および事例の紹介を行う。
観察研究および臨床試験のデザインについて統計学的な観点から概説を行う。
臨床研究論文を正しく読むために、臨床研究の方法論、特に統計的デザイン、データの質管理、結果の報告などについて学習する。
講師 大橋 靖雄 教授 (中央大学理工学部人間総合理工学科 生物統計学研究室)
がん治療とくに抗がん剤治療においては、1985年に患者のQOLを評価することが米国の医薬品審査当局FDAによって義務つけられたが、評価に必須の治療前値がない症例(40%欠損の事例があったという)や途中のデータの欠損が相継ぎ、頭を抱えたFDAと米国がん研究所NCIが協議のためのシンポジウムを1995年に開催するほどであった。あいまいなQOLが測れるのであろうか、あるいは主観的なQOLの測定に意味はあるのだろうか。「測れるはずがないのに測れると一部の人が信じ、現実的な研究者を辟易させるもので、富山県などで出現すると蜃気楼とも呼ばれる(里見・吉村:誰も教えてくれなかった癌臨床試験の正しい解釈、中外医学社、2011)」という意見もある。
わが国の大規模ながんランダム化第III相試験においてQOL/PROが本格的に調べられたのは、進行・再発非小細胞肺癌に対するCPT11の市販後臨床試験、注射であるCMF療法と経口剤UFTを比較する乳癌術後補助療法試験NSAS-BCであった。ともに開始は1995年である。当時にわれわれが抱いた懸念と、これら試験を経験した後の見解をまとめ、QALY評価やePROなど最近の経験についても紹介する。
厚生労働省保険局は世界の潮流に従い、QALYを指標とした薬剤の医療経済評価に、2016年試行としてようやく乗り出した。EQ5Dを用いた大規模患者調査も2014年度、2015年度に実施された。問題は人材難である。不足が指摘されている生物統計学者の教育・供給はまだましなほうで、わが国では医療経済評価専門家の教育システムは皆無に近い。QALY導入にも「有識者」の理解を得るために大変な時間と努力が必要であったと聞く。有限な資源と制約の中で、効率的で安心のできる保健医療システム構築のため、社会全体の意識改革が必要なのであろう
生物統計学は、臨床研究・疫学研究の方法論の基礎となる学問である。臨床研究・疫学研究の計画・デザインの段階から統計解析・報告の段階まで、生物統計学の知識とその活用が必須となる。本講義では、数学的な厳密性を保ちつつ、実践における有用性を重視して、生物統計学に基づく科学の考え方を講義する。
1. 4/11 | 4限 | 臨床研究と生物統計学(手良向) |
2. 4/18 | 3限 | データの記述と推測(横田) |
3. 4/18 | 4限 | 頻度流統計学とベイズ流統計学(手良向) |
4. 4/25 | 4限 | 2群の比較(横田) |
5. 5/9 | 3限 | 分散分析と線形回帰モデル(横田) |
6. 5/9 | 4限 | 交絡バイアスの調整(松山教授・非常勤講師) |
7. 5/18 | 1限 | 生存時間解析(手良向) |
8. 5/31 | 2限 | ロジスティック回帰分析とCox回帰分析(手良向) |
8. 4/19 | 5限 | 観察研究デザイン(1)(横田) | @看護学舎地下情報科学実習室 |
9. 4/21 | 5限 | 観察研究デザイン(2)(横田) | @看護学舎地下情報科学実習室 |
14. 4/28 | 3限 | 臨床試験デザイン(1)(手良向) | @北臨床講義室 |
15. 4/28 | 4限 | 臨床試験デザイン(2)(手良向) | @北臨床講義室 |
観察研究および臨床試験のデザインについて統計学的な観点から概説を行う。