当教室では大学院統合医科学専攻の演習として、「鴨川統計集会」(Kamogawa Statistical Conference; KSC)を実施しております。
当教室では学内で以下の講義を担当しております。
鴨川統計集会を参照してください。
生物統計学分野における最先端の研究について講義を行う。
関心のある領域の臨床研究データの統計解析に基づいて、予後因子の同定、予後指標の構築、予防・診断・治療効果の推定を正しい方法で行えるように指導する。
臨床試験デザインの講義を行う。
ランダム化対照試験の標準的方法、および探索的臨床試験のデザインとして有用と思われるベイズ流の方法について解説する。
予後因子解析の講義を行う。予後因子解析の基礎となる方法の解説、および事例の紹介を行う。
医学研究における生物統計学の役割について概説し、主に臨床研究の計画段階で統計学的な考え方がいかに重要かについて述べる。
臨床研究論文を正しく読むために、臨床研究の方法論、特に統計的デザイン、データの質管理、結果の報告などについて学習させる。
講師 Professor Guosheng Yin
(Department of Statistics & Actuarial Science, The University of Hong Kong,
Adjunct Professor,Department of Biostatistics,University of Texas M. D. Anderson Cancer Center)
Biostatistics plays a critical role in all aspects of clinical trials, including study planning and trial design, sample size and power calculation, interim monitoring, patient safety concerns, data analyses, and results reporting and interpretations of findings. With a solid understanding of various statistical concepts, particularly those ambiguous ones, clinicians and clinical trialists can improve the implementation, comprehension and quality of clinical trials. This talk outlines several common statistical concerns and pitfalls in clinical trials that are important for clinicians and clinical trialists to understand.
講師 大橋 靖雄 教授 (中央大学理工学部人間総合理工学科 生物統計学研究室)
「臨床試験や疫学調査によってエビデンスを作ること」自体は古くから存在した。しかしこれが定着するまでには欧米でも長い年月が必要であった。臨床研究の重要性の認知が遅れ、基盤整備が不十分なわが国では、がん以外の臨床領域ではいまでも定着不十分といってよい。
本講演では、EBMと生物統計学の関わりを歴史的に俯瞰し、「研究論文をどう読むか」「研究論文をどう出版するか」について統計的観点から述べる。前者については「統計でどうウソをつくか」「不適切な解析手法の事例」「交絡とその調整」「ハザードによるデータ要約と比例ハザード性」を話題とする。後者については、「これまでの実態」「公正・倫理的出版のために何がなされてきたか」「現在のガイドライン」を話題とする。
CQARDにおける教育研修として、以下の研修会を実施しました。
質の高い証拠を系統的に収集して総合的評価を行う「系統的レビュー」という方法論が開発され、結果を定量化するための統計解析手法として「メタアナリシス」が発展してきた。メタアナリシスとは「知見の統合を目的とした複数の研究結果の統計解析」である。
本研修会では、ランダム化対照臨床試験のメタアナリシスの標準的なデータ解析手法および留意点について事例を交えて解説する。また、近年流行の「ネットワーク・メタアナリシス」についても触れる。